CAOS-04-24

計算機アーキテクチャとOS

仮想コンピュータを用いたサーバのセットアップ

目的

仮想環境を実現する代表的なソフトウェアの1つであるOracle VM VirtualBoxを用いて,サーバとして利用できる仮想コンピュータを構築する方法を習得する.

本実験では,Ubuntu Server 22.04 をゲストOSとしてインストールし,Webサーバの機能を持つサーバを構築する.

注意事項

実験は,電算機演習室のPCでWindowsを起動して行う.

実験は,電算機演習室の左側3列に配置されているコンピュータの番号が,st001〜st007, st017〜st023, st033〜st039, st048〜st054, st064〜st070のものを使用すること.

仮想化ソフトであるOracle VM VirtualBoxの操作やLinuxのコマンドなどでわからない事は,Oracle社のHPにあるマニュアルを探して調べたり,インターネットで検索しながら実験を進めること.

準備するもの(希望者のみ)

16GB以上の空き容量のあるUSBメモリ

(実験で作成した仮想環境のデータは,Windowsを終了すると,全て消えてしまうため,バックアップを取りたい場合には準備すること)

実験内容

1. 仮想コンピュータの作成仮想マシンの格納場所の設定
ゲストOSの設定
ディスク容量の指定と仮想ディスクのファイル設定
ハードウェア(CD)のカスタマイズ
2. Linuxのインストールネットワークの設定
パーティションの設定
ユーザ設定
3. ソフトウェアのインストールaptを用いた開発環境等(gcc他)のインストール
apacheソースコードの取得
apacheのコンパイルおよび起動
nmapによるポートスキャン
ufwによるファイアウォールの設定
 

実験手順および課題

1. 仮想コンピュータの作成

[実験1] 仮想コンピュータを作成しなさい.

注意1: 「名前とオペレーティングシステム」
「名前」に「UbuntuServer」と入力する.
タイプは「Linux」,バージョンは「Ubuntu(64-bit)」が選択されていることを確認すること.

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メモリーサイズは「2048MB」とすること.
その他の設定はデフォルトのままでかまわない.

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注意2:「インストール用メディア」
「設定」アイコンをクリックする.
左側のメニューから「ストレージ」を選択する.

ストレージツリーの中から空のCDアイコンをクリックする.
光学ドライブのCDアイコンをクリックして,「ディスクファイルを選択」をクリックする.
「仮想光学ディスクファイル」として「C:¥VM¥ubuntu-22.04.4-live-server-amd64.iso」を選択すること.
A4-1_2.png

上記の注意事項を守らなかった場合,仮想コンピュータは作成されるものの, この後の実験を進めることができないため,やり直しとなる.

Oracle VM VirtualBoxのウィンドウの左上に"UbuntuServer"が表示されたら実験1は終了である.
A4-1_N.png

[実験課題1.1] 仮想コンピュータを作成する際に,ウィザードに指示を求められる.その際,

- 指示を求められた内容とどのように項目を設定したか
- 画面のキャプチャ([Alt]キーを押しながら[Print Screen]キー)または,撮影した映像

をレポートに記せ.

 

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2. Linuxのインストール

[実験2] 実験1で作成した仮想コンピュータに,ゲストOSとしてLinux(Ubuntu)をインストールしなさい.

「起動」をクリックするとインストーラが起動する.

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ただし,必ず,以下の8点の注意に従うこと.

また,以下の[実験課題2.1]に目を通し,適宜記録を行いながら実験を進めること.

[実験課題2.1] インストールを行う間,何度かインストーラに指示を求められる.その際,

- 指示を求められた内容とどのように項目を設定したか
- 画面のキャプチャ([Alt]キーを押しながら[Print Screen]キーを押す)または,撮影した映像

をレポートに記せ.

注意1: 「言語設定」
日本語版のインストーラは用意されていないため,インストールは英語で行う.
A4-2_1.png
注意2: 「キーボード設定」
キーボードレイアウトは,日本語を選択する.
(Tabキーで移動、Spaceキーで選択)
A4-2_2.png
注意3: 「インストールの種類」
インストールの種類は,「Ubuntu Server」を選択する.
A4-2_3.png
注意4: 「ネットワークの設定」
ネットワークは自動設定とする.
A4-2_4.png
注意5: 「プロキシ設定」
プロキシは使用しない.
A4-2_5.png
注意6: 「ストレージ構成」
ディスク全体を使用し,LVMグループとしてセットアップする.
暗号化しない.
A4-2_6.png
A4-2_7.png
A4-2_8.png
注意7: 「プロファイルセットアップ」
ユーザの本名として,「ibe-exp3」,サーバ名として「exp3-a4」を入力すること.
ユーザ名は「ibe-exp3」とする.
パスワード(8文字以上推奨)は自由に設定してよい.(ログインに使用するので覚えておくこと.)
A4-2_9.png
注意8: 「ソフトウェアの選択」
インストールするソフトウェアの選択では何も選択しないこと.
A4-2_10.png

上記の注意事項を守らなかった場合,Linuxは正常にインストールされるものの, この後の実験を進めることができなくなるためやり直しとなる.

再起動を行うよう指示を受けた時点で,実験2は終了である.

A4-2_11.png


再起動したのち,ログイン画面が表示されたら,login: プロンプトの後ろにユーザ名「ibe-exp3」を入力し,先ほど設定したパスワードを入力する.(パスワードは、入力の際に表示されない)

A4-2_N.png

 

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3. ソフトウェアのインストールおよび設定


コンソールが日本語フォントを表示できず文字化けするため,以下のコマンドを入力し,日本語表示をデフォルトの英語で表示させる.

$ LANG=C bash

[実験3.1] 管理者としてコマンドを実行するsudoコマンドを使用して,8つのパッケージ(build-essential, make, wget, libpcre3, libpcre3-dev libexpat1-dev nmap w3m)をaptコマンドでインストールしなさい.

$ sudo apt-get update
$ sudo apt install build-essential make wget libpcre3 libpcre3-dev libexpat1-dev nmap w3m

[実験3.2] ホストOSであるWindowsのIPアドレスを調べ,仮想コンピュータにインストールしたゲストOSであるLinuxが,ホストOSとネットワーク接続できるかをpingを使用して確認しなさい.

また,テキストベースのWebブラウザである w3m を使用して,https://www.eng.kagoshima-u.ac.jp/english/ にアクセスできることを確認しなさい.

$ w3m https://www.eng.kagoshima-u.ac.jp/english/
「q」または「Q」でw3mを終了する.

最後に,「nmap localhost」でゲストOSのポートをスキャンし,その状態を確認しなさい.

[実験3.3] /tmpディレクトリに移動し,Webサーバソフトapacheを,ソースコードからインストールしなさい.

1. apache2.4ではAPR(Apache Portable Runtime)のインストールが必要である.wgetコマンドで,apr, apr-util のソースコードをミラーサイトからダウンロードする.

$ wget https://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache/apr/apr-1.7.4.tar.bz2
$ wget https://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache/apr/apr-util-1.6.3.tar.bz2

2. 同様に,apache のソースコードもダウンロードする.

$ wget https://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache/httpd/httpd-2.4.62.tar.bz2

3. ls コマンドで,3つのファイルがダウンロードされていることを確認する.

4. 取得したファイルが正規のものであることを確認する.
 ダウンロードファイルの配布元 https://www.apache.org/ から, sha256ファイルをダウンロードし,ファイルが改竄されていないかをコマンド ”cat 検査対象ファイル名 | openssl sha256” で表示されるものと,ダウンロードした”検査対象ファイル名.sha256” のファイル内の文字列が一致するかで確認する.

$ wget https://www.apache.org/dist/httpd/httpd-2.4.62.tar.bz2.sha256
$ cat httpd-2.4.62.tar.bz2 | openssl sha256
$ cat httpd-2.4.62.tar.bz2.sha256

5. 同様に,apr と apr-util についても改竄されていないかを確認する.

URL: https://www.apache.org/dist/apr/apr-1.7.4.tar.bz2.sha256
URL: https://www.apache.org/dist/apr/apr-util-1.6.3.tar.bz2.sha256

6. tarコマンドで,圧縮されたファイルhttpd-2.4.62.tar.bz2を展開する.

$ tar jxvf httpd-2.4.62.tar.bz2

7. 同様に,apr-1.7.4.tar.bz2, apr-util-1.6.3.tar.bz2も展開する.

8. lsコマンドで,apr-1.7.4 と apr-util-1.6.3の2つのフォルダが存在することを確認した後,フォルダ名をそれぞれ apr と apr-util に変更して httpd-2.4.62/srclib/に保存する.

$ mv apr-1.7.4 httpd-2.4.62/srclib/apr
$ mv apr-util-1.6.3 httpd-2.4.62/srclib/apr-util

9. cdコマンドで,httpd-2.4.62 へ移動する.

10. configureコマンドを実行し,Makefileの作成を行う.
 configureコマンドは,APRを有効にするため --with-included-apr オプションを付与する.

$ ./configure --with-included-apr

11. makeコマンドを実行し,apache(httpd)のコンパイルを行う.

12. sudoコマンドを使用し管理者権限で make installコマンドを実行し,apacheをインストールする.

$ sudo make install

13. エディタ(vi)を用いて,設定ファイル(/usr/local/apache2/conf/httpd.conf)を管理者権限で編集する.ただし,編集する前にhttpd.confをhttpd_bk.confというファイル名でコピーしておくこと.
設定すべき箇所は下記の通り.

[httpd.confの設定変更箇所の例]

LoadModule userdir_module modules/mod_userdir.so(先頭の#を削除)
ServerAdmin  k*******@kadai.jp(実験者のメールアドレス)
ServerName st***.ibe.kagoshima-u.ac.jp(先頭の#を削除し,ホスト名を書く.***はキーボードに貼付されている番号)
Include conf/extra/httpd-userdir.conf(先頭の#を削除)

14. 編集後、httpd.confとhttpd_bk.confの差分を取り,上記4箇所が変更されているかどうかを確認する.差分を取るにはdiffコマンドを使用すること.

15. apacheをサービスとして起動する.一般的にはserviceコマンドを用いるが,本実験ではソースコードからインストールを行ったため,apachectlコマンドを用いる.

$ sudo /usr/local/apache2/bin/apachectl start

16. w3m で localhost にアクセスして, apacheが起動していることを確認する.

[実験3.4] ポートフォワーディングの設定して,ホストOSからゲストOS上で稼働するWebサーバにアクセスできるように設定する.

1. 仮想コンピュータのネットワーク設定にあるポートフォワーディングを設定する.

添付ファイルの画像
添付ファイルの画像

[実験3.5] ホストOSであるWindowsから,実験3.3で設定したWebサーバにアクセスできるかどうかを確認しなさい.ホストOSから閲覧する際は,「http://127.0.0.1/」と入力する.

[実験3.6] ファイアウォール(ufw)を有効にして,外部からのすべてのネットワーク接続を遮断する.

1. /etc/default/ufw で,IPV6によるすべての通信を遮断する設定を行う.

$ sudo vi /etc/default/ufw
IPV6=yes を IPV6=no に修正する.

2. ファイアウォールの状態を確認する.

$ sudo ufw status

Status: inactive と表示される

3. ファイアウォールのサービスを開始する.

$ sudo ufw enable
$ sudo ufw status  を再度実行し,状態を確認する.

Status: active に変更された

4. すべての通信を遮断する設定を行う.

$ sudo ufw default DENY

5. ホストOSであるWindowsから,実験3.3で設定したWebサーバにアクセスできるかどうかを確認する.(アクセスできないことを確認する.)

[実験3.7] ファイアウォール(ufw)の設定を行い,サーバへのhttp通信を許可しなさい.アクセスの許可は,「allow」コマンドを使用する.http通信はTCP 80番ポートが使われるため,外部からサーバのTCP 80番への通信を許可すればよい.

上記の設定は,コマンド「sudo ufw reload」を打つことで,設定内容を反映できる.設定が反映され,Webサーバにアクセスできるようになったことを確認する.

考察課題

[考察課題1] Apache以外のWebサーバソフトについて調べ,Apacheも含めた特徴の比較表を作成せよ.

[考察課題2] 仮想コンピュータのネットワーク接続形態にはどのようなものがあるか,また,それぞれの接続形態の特長を調べてレポートに書きなさい.

 

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