電子回路の基本であるトランジスタを用いることにより増幅器の特性を理解する。
トランジスタ内部の動作は単純で、図のようにベース−エミッタ間に流れる 電流を常にコントロールして、その電流の数十倍から数百倍の電流が コレクタ−エミッタ間に流れるように電流源を制御する。 つまり、ベース電流でコレクタ−エミッタ間に流れる電流を コントロールする素子がトランジスタといえる。 この動作を外部からながめると、ベースに入力した電流が大きくなって コレクタ−エミッタ間に現れるので、入力信号を増幅したように見える。
トランジスタには、PNP型とNPN型の2種類がある。 3つに分かれたそれぞれの部分は、ベース、コレクタ、エミッタと呼ばれる。 エミッタ−ベース間は順方向、ベース−コレクタ間は逆方向になるように 電圧を加える。ベースに流れる電流IBに比べて、コレクタに流れ込む 電流ICは大きな電流となる。 この大きな電流ICは、小さな電流IBに従い変化する。 トランジスタが増幅作用を持つというのはこのことである。
トランジスタ は、材料(ゲルマニウム,シリコン)や構造(NPN,PNP)など により分類される。また、使用方法としてエミッタ接地、ベース接地、コレクタ接地 がある。トランジスタには型名が付いているが、その付け方は、次のような 形式で決まっている。
(型名の例) 2SC 2120 Y
第1項:
2SA**** | PNP 型 | 高周波用トランジスタ |
2SB**** | PNP 型 | 低周波用トランジスタ |
2SC**** | NPN 型 | 高周波用トランジスタ |
2SD**** | NPN 型 | 低周波用トランジスタ |
第2項: 最大4桁の番号で、日本電子機械工業会へ 登録した順の連続番号。
第3項: 改良や変更ごとにA,B,C,…の順に付ける。
トランジスタの接続法には、 ベースを入出力側の共通端子とする ベース接地と、エミッタを共通端子とするエミッタ接地、 コレクタを共通端子とするコレクタ接地の3通りの接続法が 考えられるが、前者2つの接続法がよく用いられる。
図1:エミッタ接地の回路図 |
トランジスタ 2SC2120 を用いてエミッタ接地回路における 出力特性、および入力特性を測定する。
図2:VPS |
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