#author("2024-03-06T11:38:05+09:00","default:Exp3","Exp3") #author("2024-03-06T11:42:01+09:00","default:Exp3","Exp3") [[CAOS-04-H29]] * 仮想コンピュータを用いたサーバのセットアップ [#u4c3b3c6] 仮想環境を実現する代表的なソフトウェアの1つであるOracle VM VirtualBoxを用いて,サーバとして利用できる仮想コンピュータを構築する. 本実験では,Ubuntu Server 16.04 LTSをゲストOSとしてインストールし,Webサーバの機能を持つサーバを構築する. 実験は,電算機演習室のPCでWindowsを起動して行う. 仮想化ソフトであるOracle VM VirtualBoxの操作やLinuxのコマンドなどでわからない事は,Oracle社のHPにあるマニュアルを探して調べたり,インターネットで検索しながら実験を進めること. ** 注意事項 [#c537ba85] 実験は,電算機演習室の&color(red){''左側3列''};に配置されているコンピュータの番号が,&color(red){''st001〜st007'', ''st017〜st023'', ''st033〜st039'', ''st048〜st054'', ''st064〜st070''};のものを使用すること. [[ここをクリックしてコンピュータ番号を確認して使用すること.>CAOS-04_IP]] ** 準備するもの(希望者のみ) [#r47fb7f8] &color(red){''4GB''以上の空き容量};のあるUSBメモリ (実験で作成した仮想環境のデータは,Windowsを終了すると,全て消えてしまうため,バックアップを取りたい場合には準備すること) ** 実験内容 [#n2726020] |1. 仮想コンピュータの作成|仮想マシンの格納場所の設定| |~|ゲストOSの設定| |~|ディスク容量の指定と仮想ディスクのファイル設定| |~|ハードウェア(CD)のカスタマイズ| |2. Linuxのインストール|パーティションの設定| |~|ネットワークの設定| |~|各種サービス名の調査| |3. ソフトウェアのインストール|aptを用いた開発環境等(gcc他)のインストール| |~|apacheソースコードの取得| |~|apacheのコンパイル| |~|(selinuxの停止)| |~|ufwによるファイアウォールの設定| |4. サーバの運用|ネットワーク接続形態の変更| ** 実験手順および課題 [#g6532567] *** 1. 仮想コンピュータの作成 [#qc843acd] ''[実験1]'' 仮想コンピュータを作成しなさい. - CドライブにVMフォルダを作成する(C:¥VM). #ref(ICON2.png,around,40%,nolink) デスクトップにある「Oracle VM VirtualBox」のアイコンをクリックして起動する. -「ファイル」-「環境設定」から「デフォルトの仮想マシンフォルダー」を「C:¥VM」と設定する. &ref(VB101.png,right,50%); -「新規」を選択して,新しい仮想マシンウィザードを起動する. --&color(red){必ず,以下の2点の注意に従うこと.};設定に不安がある場合は,設定内容を変更後,確定する前に,教員やTAに確認してもらうこと. --また,&color(red){下記の[課題1]に目を通し,適宜記録を行いながら実験を進める};こと. |>|''注意1: 「名前とオペレーティングシステム」''| |「名前」に「UbuntuServer」と入力する.&br;タイプは「Linux」,バージョンは,「Ubuntu(64-bit)」が選択されていることを確認すること.|#ref(VB102.png,left,nowrap,50%)| |>|''注意2:「インストール用メディア」''| |「設定」アイコンをクリックする.&br;左側のメニューから「ストレージ」を選択する.&br;&br;ストレージツリーの中から空のCDアイコンをクリックする.&br;光学ドライブのCDアイコンをクリックして,「仮想光学ディスクファイルを選択」をクリックする.&br;「仮想光学ディスクファイル」として「C:¥VM¥ubuntu-22.04.1-live-server-amd64.iso」を選択すること.|#ref(VB103.png,left,nowrap,35%)| |「設定」アイコンをクリックする.&br;左側のメニューから「ストレージ」を選択する.&br;&br;ストレージツリーの中から空のCDアイコンをクリックする.&br;光学ドライブのCDアイコンをクリックして,「仮想光学ディスクファイルを選択」をクリックする.&br;「仮想光学ディスクファイル」として「¥¥nas01¥share_ro¥exp3¥ubuntu-16.04.2-server-amd64.iso」を選択すること.|#ref(VB103.png,left,nowrap,35%)| 上記の注意事項を守らなかった場合,仮想コンピュータは作成されるものの, この後の実験を進めることができないため,やり直しとなる. Oracle VM VirtualBoxのウィンドウの左上に"UbuntuServer"が表示されたら実験1は終了である.&ref(VB104.png,right,35%); #clear ''[課題1]'' 仮想コンピュータを作成する際に,ウィザードに指示を求められる.その際, - 指示を求められた内容とどのように項目を設定したか - 画面のキャプチャ([Alt]キーを押しながら[Print Screen]キー)または,撮影した映像 をレポートに記せ. *** 2. Linuxのインストール [#rf6fce25] ''[実験2]'' 実験1で作成した仮想コンピュータに,ゲストOSとしてLinux(Ubuntu)をインストールしなさい. 「起動」をクリックするとインストーラが起動する. //基本的には,第3回のLinuxのインストールと同様に作業する. ただし,&color(red){必ず,以下の8点の注意に従うこと.}; また,&color(red){下記の[課題2]に目を通し,適宜記録を行いながら実験を進める};こと. |>|''注意1: 「ネットワークの設定」''| |ホスト名は,「sv-**」のように設定すること.「**」の部分は,使用しているコンピュータの番号とし,コンピュータ番号がst021の場合は,「sv-21」と設定する.|#ref(VB201.png,left,nowrap,35%)| |>|''注意2: 「ユーザとパスワードのセットアップ」''| |新しいユーザの本名として,「exp3」を入力すること.&br;ユーザ名は「exp3」,パスワード(8文字以上推奨)は「inf0bi03」とすること.&br;&br;ホームディレクトリの暗号化については,「いいえ」であることを確認すること.|#ref(VB202.png,left,nowrap,35%)| |>|''注意3: 「時間の設定」''| |Time zoneは,「Asia/Tokyo」であることを確認すること.|#ref(VB203.png,left,nowrap,35%)| |>|''注意4: 「ディスクのパーティショニング」''| |パーティショニングの方法は,上から2番目の「ガイド - ディスク全体を使いLVMをセットアップする」が選択されていることを確認すること.&br;「ガイドによるパーティショニングを利用するボリューム」は「8.1GB」のままでかまわない.|#ref(VB204.png,left,nowrap,35%)| |>|''注意5: 「パッケージマネージャの設定」''| |「HTTPプロキシ」は使用しない.|#ref(VB205.png,left,nowrap,35%)| |>|''注意6: 「taskselを設定しています」''| |システムのアップグレードは「自動的にアップデートしない」を選択する.|#ref(VB206.png,left,nowrap,35%)| |>|''注意7: 「ソフトウェアの選択」''| |インストールするソフトウェアの選択では「standard system utilities」を選択する.|#ref(VB207.png,left,nowrap,35%)| |>|''注意8: 「ハードディスクへのGRUBブートローダのインストール」''| |マスターブートレコードにGRUBブートローダをインストールすること.|#ref(VB208.png,left,nowrap,35%)| 上記の注意事項を守らなかった場合,Linuxは正常にインストールされるものの, この後の実験を進めることができなくなるためやり直しとなる. 再起動を行うよう指示を受けた時点で,実験2は終了である. ''[課題2]'' インストールを行う間,何度かインストーラに指示を求められる.その際, - 指示を求められた内容とどのように項目を設定したか - 画面のキャプチャ([Alt]キーを押しながら[Print Screen]キーを押す)または,撮影した映像 をレポートに記せ. //インストール終了後,再起動を行うと「Setup agent」が起動する.本実験ではSetup agentの起動画面では「Exit」を押して終了する. ログイン画面が表示されたら,login: プロンプトの後ろにユーザ名「exp3」を入力し,先ほど設定したパスワードを入力する. *** 3. ソフトウェアのインストールおよび設定 [#f5001457] %%''[課題3.1]'' ホストOSであるWindowsのIPアドレスを調べ,仮想コンピュータにインストールしたゲストOSであるLinuxが,ホストOSとネットワーク接続できるかを確認しなさい.%% %%また,接続先として,学科のWebサーバであるinf(inf.ibe.kagoshima-u.ac.jp,163.209.132.2)や,学外のサーバ(任意のサーバ)に対しても接続テストを行いなさい.%% %%''[実験3.1]'' パッケージ管理ソフトyumを用いて,C/C++言語のコンパイラであるgccをインストールしなさい.%% %% # yum -y install gcc%% ~~ ''[実験3.1]'' 管理者としてコマンドを実行するsudoコマンドを使用して,5つのパッケージ(build-essential, make, wget, libpcre3, libpcre3-dev)をaptコマンドでインストールしなさい. # sudo apt install build-essential make wget libpcre3 libpcre3-dev ''[課題3.2]'' /tmpディレクトリに移動し,Webサーバソフトapacheを,ソースコードからインストールしなさい. 1. apache2.4ではAPR(Apache Portable Runtime)のインストールが必要である.wgetコマンドで,apr, apr-util のソースコードをミラーサイトからダウンロードする. # wget http://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache/apr/apr-1.5.2.tar.bz2 # wget http://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache/apr/apr-util-1.5.4.tar.bz2 2. 同様に,apache のソースコードもダウンロードする. # wget http://ftp.jaist.ac.jp/pub/apache/httpd/httpd-2.4.25.tar.bz2 3. ls コマンドで,3つのファイルがダウンロードされていることを確認する. 4. 取得したファイルが正規のものであることを確認する.~ ダウンロードファイルの配布元 http://www.apache.org/ から, sha1ファイルをダウンロードし,ファイルが改竄されていないかをコマンド ”cat 検査対象ファイル名 | openssl sha1” で表示されるものと,ダウンロードした”検査対象ファイル名.sha1” のファイル内の文字列が一致するかで確認する. # wget http://www.apache.org/dist/httpd/httpd-2.4.25.tar.bz2.sha1 # cat httpd-2.4.25.tar.bz2 | openssl sha1 # cat httpd-2.4.25.tar.bz2.sha1 5. 同様に,apr と apr-util についても改竄されていないかを確認する. 6. tarコマンドで,圧縮されたファイルhttpd-2.4.25.tar.bz2を展開する. # tar jxvf httpd-2.4.25.tar.bz2 7. 同様に,apr-1.5.2.tar.bz2, apr-util-1.5.4.tar.bz2も展開する. 8. lsコマンドで,apr-1.5.2 と apr-util-1.5.4の2つのフォルダが存在することを確認した後,フォルダ名をそれぞれ apr と apr-util に変更して httpd-2.4.25/srclib/に保存する. # mv apr-1.5.2 httpd-2.4.25/srclib/apr # mv apr-util-1.5.4 httpd-2.4.25/srclib/apr-util 9. cdコマンドで,httpd-2.4.25 へ移動する. 10. configureコマンド,makeコマンドを用いて,apacheをコンパイルする.~ configureコマンドでは、APRを有効にするため --with-included-apr オプションを付与する. 11. 管理者権限で make installコマンドを実行し,apacheをインストールする. %%12. エディタ(vi)を用いて,設定ファイル(/usr/local/apache2/conf/httpd.conf)を編集する.設定すべき箇所は下記の通り.%% %% [httpd.confの設定変更箇所の例]%% %% ServerName sv-**.ibe.kagoshima-u.ac.jp%% %% ServerAdmin sc******@ibe.kagoshima-u.ac.jp(実験者のメールアドレス)%% %% Include conf/extra/httpd-userdir.conf の先頭の#を削除%% 14. apacheをサービスとして起動する.一般的にはserviceコマンドを用いるが,本実験ではソースコードからインストールを行ったため,apachectlコマンドを用いる. # sudo /usr/local/apache2/bin/apachectl start %%''[課題3.3]'' ファイアウォール(iptables)の設定を行い,サーバへのhttp通信を許可しなさい.ファイアウォールの設定ファイルは,/etc/sysconfig/iptablesである.http通信はTCP 80番ポートが使われるため,外部からサーバのTCP 80番への通信を許可すればよい.%% %%編集後,「service iptables restart」と打つことで,設定内容を反映できる.%% %%''[実験3.2]'' Webサーバを起動しているゲストOSのIPアドレスを確認して,ホストOSであるWindowsから,課題3.3で設定したWebサーバにアクセスできるかどうかを確認しなさい.%% %%Webサーバにアクセスできない場合は,教員やTAと相談して原因を特定しなさい.%% &aname(sec4); *** 4. サーバの運用 [#sf94fa69] ''[実験4]'' 仮想コンピュータのネットワーク接続形態をBridge接続に変更し,電算機演習室のネットワーク(10.200.30.0)の他のコンピュータからWebサーバがアクセスできるように[[&color(red){固定IPアドレス};>CAOS-04_IP]]を設定しなさい. 1. 仮想コンピュータをシャットダウンして,「仮想コンピュータ設定の編集」からネットワークアダプタの設定をBridge接続に変更する. #ref(VM401.png,left,nowrap,80%,添付ファイルの画像) 2. 仮想コンピュータを起動して, /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0 /etc/resolv.conf を適切に編集し,ネットワークの設定を下記のように変更する. ただし、どのように編集するかは,「[[ifcfg-eth0>http://www.centos.org/docs/5/html/Deployment_Guide-en-US/s1-networkscripts-interfaces.html]]」や「resolv.conf」をキーワードとして各自調べなさい. ネットワーク設定(ifcfg-eth0): IPアドレス: 10.200.30.** 上記の"**"は,[[&color(red){ここをクリックし,コンピュータの番号に対応したIPアドレス}; >CAOS-04_IP]]を指定しなさい. ゲートウェイ: 10.200.30.254 ネットマスク: 255.255.255.0 DNS設定(resolv.conf): 1番目のDNS: 10.200.2.11 2番目のDNS: 10.200.2.12 3. ネットワークの設定を変更したら, service network restart でネットワークを再起動した後,他のPCから設定したapacheサーバに接続できるか確認する. &color(red){接続できない場合には,apacheサーバが起動しているか確認すること.}; ''[課題4.1]'' 実験者のユーザアカウントを作成せよ. ''[課題4.2]'' 各ユーザのWebページを作成し,ホストOSから閲覧できることを確認せよ.作成するWebページは,下記のような非常に単純なものでよい. 各ユーザのWebページは,「/home/***(ユーザ名)/public_html/」ディレクトリに,index.htmlという名前で作成する.ホストOSから閲覧する際は,「http://10.200.30.xx/~***(ユーザ名)」と入力する. 例: <html> <head>Test</head> <body> This is a test Web page to check if our server works. </body> </html> 作成したWebページを閲覧できない場合は,各ユーザのディレクトリ(/home/***(ユーザ名))および各ユーザのpublic_htmlディレクトリのパーミッションを確認すること.ファイルおよびディレクトリの所有者だけでなく,全てのユーザに読み込み,実行の権限が与えられる必要がある. ''[課題4.3]'' 設定が終わったら,他のコンピュータから作成したWebページにアクセスできるか確認しなさい. ''[課題4.4]'' 仮想コンピュータのネットワーク接続形態にはどのようなものがあるか,また,それぞれの接続形態の特長を調べてレポートに書きなさい. &br;