「これ取って!」「そっちのペットボトル取って」—— 私たち人間は普段、とても「曖昧(あいまい)な言葉」を使って会話をしています。
しかし、ロボットにとってはこれが大きな問題になります。「これ」「それ」「あそこ」といった言葉(指示語)や、「左のボトル」という表現は、「話している人の位置」や「周りの状況」を知らないと意味がひとつに決まらないからです。
ロボットが私たちの生活を助けるパートナーになるためには、このような人間らしい「大ざっぱで曖昧な指示」でも正しく理解して動けるようになる必要があります。
本研究では、話題のAI技術であるLLM(大規模言語モデル)を活用し、人間が出した曖昧な指示をロボットが理解できる具体的な指示に変換するシステムの開発を目指しています。
これまでのロボットは、指示が不十分だとフリーズしてしまったり、間違った物体を取りに行ったりしていました。
本研究のユニークな点は、「なぜ判断できないのか(理由・原因)」をロボット自身が判別して自ら選択・行動できる点です。情報が足りないときや迷ったときに適切に理由を判断することで、より人間らしく柔軟に対応できるようになります。
研究では、3D空間でロボットの動きをリアルに再現できるシミュレータ「Gazebo」を使用しています。障害物がたくさんある部屋(マップ)を作り、ロボットが障害物をうまく避けながら目的地まで移動して物体を見つける実験を行っています。