電気・電子回路と生体計測

第5回: 眼球運動計測

目的 

 眼球運動の測定を通じて、生体計測に必要な知識と経験を身につける。

眼球運動について

 我々は眼を動かして、その時々に必要な外界の光情報を獲得する。

 それと同時に、瞳孔の大きさを変化させて入力される光情報量を調整する。

 「眼は心の窓」というように、これらの眼球運動を観察することで、その人の思考・認知・精神状態を推測することができる。

 そのため、眼球運動計測は心理学的研究に留まらず、運転手の疲労状態の測定や、注目されやすい広告表示の検討と言った、工学的応用場面でも活用される。

 また、眼球運動は精密な測定が比較的容易なことから、マウスカーソルやロボットのコントロールなどにも利用されている。

眼球運動測定について

 眼球運動を測定する方法はいくつかあるが、広く普及している方法は、赤外線で眼球を照らし、それをカメラで撮影する方法である。

 カメラに入力された眼球画像から、角膜による赤外線の反射位置や瞳孔位置をリアルタイムで画像解析し、被験者が注視している位置を測定する。

 同時に、瞳孔径の大きさの変化も測定できる。

実験 

実験装置

1.赤外線式眼球運動測定装置(ViewPoint? Eye Tracker, Arrington Research, Inc.)

2.17インチ液晶モニタ

PCと眼球運動測定装置のセットアップ

1.ノートPCに外部モニタとUSB赤外線カメラが接続されていることを確認する。

2.デスクトップ画面から「ViewPoint?-USB-400HZ」をクリックし、「ViewPoint? EyeTracker? USB-400」を起動する。

3.マルチディスプレイ設定

刺激画像の設定

1.画像ファイルの読み込み

2.画像ファイル順序のランダム化

3.注視点マーカーの削除

赤外線カメラの調整

1.「Control」ウィンドウ > 「EyeA」タブ > 「Video」内

2.瞳孔位置だけを利用した測定モードに設定

3.被験者の準備

4.カメラのキャップを外す

5.被験者の右眼の右斜め下45˚、距離5~10cm程度の位置にカメラを設置(赤外線照射装置(LED)が鼻側)

眼球画像と注視点の位置合わせ(校正・キャリブレーション)

1.キャリブレーションポイントの設定

2.被験者の準備ができたら「Auto-Calibrate」を選択 > キャリブレーションが自動実行される

眼球運動の計測

1.画像の表示

2.記録の開始

3.画像の全画面表示

4. 被験者は自由に観察

5.画像の削除

6.記録の停止

7.カメラにキャップをつける

8.被験者をアゴ台から開放する

眼球運動の分析

1.画像ファイルの保存

2.データファイルの保存

3.データを全て選択して、Excelにコピー

4.ノイズデータの削除

5.データの変換

6.グラフの作成

7.データやグラフを作成したExcelファイルを自分のUSBに保存

SampleResult.png

レポート 

目的

方法

結果

眼球運動の考察

課題1:サッケード(saccade; 跳躍(急速)眼球運動)について調べよ

  書籍の場合:著者名、書籍名、出版社名、出版年

  webページの場合:webページ名、閲覧日時、URL

課題2:眼球運動計測を利用する実験を提案せよ

 (例)

  言い回し:目が無い

  意味:ある物事を非常に好きなこと。「私はラーメンに目が無い」

  仮説:人間は好きなものを見ると瞳孔が拡大するので、他人からは目が黒くなり穴が空いたように見える。つまり、目が無くなったように見える。そのために、物事が好きなことを「目が無い」と言うようになった。

  実験方法:被験者の好きな物の画像とそうでない物の画像を交互に見せ、その時の瞳孔径を測定する。仮説が正しければ、好きなものを見たときのほうが瞳孔径が大きくなると考えられる。


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