既に亡くなった演奏家(指揮者編)
muttyが全演奏収集を目指している方々です。
Carl Schuricht (1880 〜1967)
同世代の巨匠達に比べると地味な存在だったが、モーツァルト、ベートーベン、ブルックナー、ブラームスなど、特別なことをしているわけではないのにどれも素晴らしい。
オペラ劇場での経験がわずか4年しか無く、生涯の大部分をヴィールスバーデンの音楽監督として過ごし、晩年はレマン湖のほとりで送った。
愛聴盤は、シューマン「交響曲第2番・3番“ライン”」(+パリ音楽院管弦楽団、1951/1954年)と、晩年のブルックナー「交響曲8番」、「交響曲9番」(+ウィーンフィル、1963、1961年)。
Wilhelm Furtwangler (1886 〜1954)
古今東西最大人気の、世紀の巨匠。ずっとカラヤンを聞いてきて、高校3年の時に初めて、ベルリンフィルとのベートーベン「交響曲7番」を聞いた時の衝撃は忘れられない。テンポを自在に動かし、感情移入しながら、楽曲の起伏に沿って進めていく演奏に、どうしても引き込まれてしまう。ナチスに協力した咎で1945 〜1947年と演奏できず、円熟の70歳を前にして亡くなってしまったのが誠に残念。
Tahraのディスコグラフィーによると、録音の残っている楽曲・インタビュー記録が全部で485(例えばヴォルフの歌曲などは1曲ずつ別に数える)タイトルあるが、このうちの449タイトルを集め終えた。(2007年8月現在)
★懸案だった,ブラームス・交響曲第一番(1947/8/13: Disques Refrain DR920022)をオークションで入手.450タイトル完了.
これでとりあえず入手できるものは全て確保したかと思いきや,ウェーバー・「魔弾の射手」序曲(1952/12/7)が存在することが判明! (2007/9/25) ← Amazon経由で中古を海外から入手できました! ということで,451タイトル完了.(2007/10/29)
「フィデリオよりアリア」(H.ホッター,1942/11/4)を入手(Venezia).初CD化だと思うが,話題になっていない?452タイトル完了.(2007/11/12)
Frida Leiderとの競演(ワグナー・ワルキューレ,1938/6/1)をドイツから取り寄せ.453タイトル完了.(2007/12/13)
★懸案だった,ブラームス・ドイツレクイエム(1951/1/25: Disques Refrain DR920021)をオークション(31,610円)で入手.
これでCDで入手できるものは全て確保したはず. 454タイトル完了.(2008/6/15)
愛聴盤はベートーベンがメインで、「交響曲第3番“英雄”」(+ウィーンフィル、1944年 通称Urania)、「交響曲第5番“運命”」(+ベルリンフィル、1947年5月27日 復帰公演)、「交響曲第7番」(+ウィーンフィル、1950年)、そして「交響曲第9番“合唱”」(+バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団、1951年)。
2000年になって、シュワルツコップとのヴォルフの歌曲が復活したのが嬉しい。
Hans Knappertsbusch (1888 〜1965)
フルトヴェングラーと並んで、最も好きでよく聞く指揮者。ブルックナーとワーグナーにかけては右に出る人が居ないと思う。たいへん行儀の悪い人だったらしいが、晩年の演奏は雄大無比で、フルトヴェングラーと異なりテンポを動かさずに悠然と進めていく。特にクレシェンドの息の長さは驚くほど。
実は聞き始めたのは遅く、宇野功芳氏の『クラッシックの名曲・名盤』で1989年に初めて知った。しかしキングレコードの特集に間に合ったこともあり、主要なものは全て入手できた。CDの所有枚数も、フルトヴェングラーの分の9割以上にも達している。
最初に聞いたのが、ブルックナー「交響曲第8番」(+ミュンヘンフィル、1963年)、次に聞いたのが小品集で、シュトラウスらのワルツ曲を集めた「ウィーンの休日」(+ウィーンフィル、1957年)と、シューベルトの“軍隊行進曲”やチャイコフスキーの“くるみ割り人形組曲”を入れた「ポピュラー・コンサート」(+ウィーンフィル、1960年)だが、どれもそのスケールの馬鹿でかさに仰天ひれ伏した。これらは全て愛聴盤。あと「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」も録音は古いけど素敵な演奏。
ワーグナーのオペラ録音は全て必聴。最も得意にしていて8つ(9?)の録音がある「パルシファル(全曲)」のうちでは、バイロイト祝祭管弦楽団との1962年版が録音の良さでベストと思うが、その他のものも捨てがたい魅力がある。
2000.11〜、Syuzoさんの「クナを聞く」に啓発されて、初心に帰って聞き始めています。 :−「クナを聞く」が第186回で完了しました.お疲れ様でした.
Nikolai Golovanov (1891 〜1953)
モスクワ生まれ。一気に加速し金管楽器を咆哮させる爆発演奏タイプだが、キャリアの初期が合唱指揮者だったせいか、旋律の歌わせ方に濃厚で芳醇な味わいもあり、“ロシアのメンゲルベルク”(宇野功芳氏)の面目躍如たるところ。ボロディン、リムスキー・コルサコフ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、スクリャービンなど、お国物が得意。
愛聴盤は、ワーグナー「管弦楽曲集」(+モスクワ放送響、1950 〜 51年)、ボロディン「交響曲第2番」(+モスクワ放送響、1947 年)など。
Hermann Scherchen (1891 〜1966)
フルトヴェングラーがテンポを動かすのに対して、この人は楽器間の音量バランスをも動かすのが特徴。顔付きはたいへん真面目な学者風なのだが? 最近、ウェストミンスターから復刻盤が大量に出て、少しずつ浸透しつつあるのが嬉しい。
愛聴盤は、叫び声入り、デフォルメの極致のベートーベン「交響曲全集」(+ルガノ響、1965年)と、大胆カット演奏終了後に聴衆のブーイングと熱狂が凄まじい、マーラー「交響曲第5番」(+フランス国立放送響、1965年)。
Jascha Horenstein (1899 〜1973)
ロシアのキエフ生まれ。ベルリンフィル時代にフルトヴェングラーの下稽古を付けていたとのことだが、芸風はもうすこしダイナミックな感じ。マーラーとブルックナーの普及に貢献が大きかった。
愛聴盤は、マーラー「交響曲1番“巨人”」(+ウィーン響、1953年)。またブルックナーも素晴らしいと思う。
Lovro von Matacic (1899 〜1985)
ユーゴ生まれとのことだが、老人崇拝の傾向のある日本では、N響の名誉指揮者としての印象が強い。クナと同様、ワーグナーとブルックナーが得意だったが、レコード・CDが非常に少なく、特にワーグナーのオペラ演奏の記録が無いのが残念。現役の頃、もう少し頻繁にコンサートを聞きに行っていたらと悔やまれる。
愛聴盤は、聴衆を熱狂させた最晩年のブルックナー「交響曲第8番」のレーザーディスク(+N響、1984年)と、シュワルツコップと共演した、レハール「メリー・ウィドウ(全曲)」(+フィルハーモニア管弦楽団&合唱団)。
Herbert Kegel (1920 〜1990)
許光俊氏が言うように、ケーゲルとシェルヘンの顔は似ている。演奏が異常感覚なのも似ている。東独崩壊の時にピストル自殺してしまったが、独・ETERNAなどにかなりの録音を残していた。
まだあまり聞き込んでいないが、オルフ「カルミナ・ブラーナ」(+ライプチヒ放送響、1959年)、ムソルグスキー「展覧会の絵(ラヴェル編 組曲)」(+ライプチヒ放送響、1968年)などのインパクトの強い演奏に惹かれる。
朝比奈 隆 (1908 〜2001)
カラヤンと同い年だが、現在では文句なしに世界最長老指揮者。手兵の大阪フィルらを率いて録音したベートーベン、ブルックナー、ブラームスの交響曲全集の録音回数記録は、多分破られることは無いだろう。
演奏会に度々足を運んでいるため、愛聴盤といえるものはあまり無い。強いて挙げれば、1975年に大フィルと聖フローリアン修道院でライブ録音したブルックナー「交響曲第7番」か。第2楽章の終了と合せて、夕5時の鐘の音がかすかに聞こえてくる。
最近はオケをコントロールしきれていない(その割に演奏終了後の拍手が異常なほどに多い)傾向が見られるのが、いたしかたなしとはいえ残念。1990年7月24日にオーチャードホールで聞いた、ブルックナー「交響曲第5番」(+大フィル)は、素晴らしい演奏だった。
Gunter Wand (1912 〜2002)
以前はテンポの終始速い小粒な印象で、ケルン響を振ったブルックナー「交響曲全集」などは、第1番(ウィーン版)くらいしか聞く気が起きなかったが、ここ数年で大指揮者に大化け。
最近の、ブルックナー「交響曲第8番」(+北ドイツ放送響、1993年)、「交響曲第5番」(+ベルリンフィル、1996年)、「交響曲第4番“ロマンティック”」(+ベルリンフィル、1998年)など、どれも素晴らしい。
あと、全曲収集までは目指していませんが、
・Arturo
Toscanini (1867 〜1957)
・Willem Mengelberg
(1871 〜1951)
・Pierre
Monteux (1875 〜1964)
・Bruno Walter (1876 〜1962)
・Otto Klemperer (1885 〜1973)
・Sergiu
Celibidache (1912 〜1996)
・Leonard
Bernstein (1918 〜1990)
・Klaus Tennstedt (1926 〜1998)
の皆さんも大好きです。
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